急性胃粘膜症候群と 律儀さ

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今冬は、太平洋側が暖冬とは言え 木枯らしと朝霜は
例年のごとく身体が縮む思いの中 スイセンの花と
梅の花のつぼみを見つけて春の訪れを感じる。

話題は変わり、夫婦間で貸し借りに律儀な
大阪のおばちゃんの話をひとつ。

ある日の診察室での会話である。
おばちゃんが「熱が37度5分と高く、のど痛あるけど
さむけは無いし 関節も痛くないし 下痢も無いんよ」
と訴える。
「ちょうど この前に 旦那が、診察してもろたのと
まったく同じ『表情』(症状と言っているつもり)
なのよ。」
「同じ 薬にして欲しいねん。」
「ちょうど、シンドイ時は動けんと寝ていたから
今日になってしもた。」

大阪のおばちゃんの強引さに寄り切られ 断わる
強い理由も無く、電子カルテで確認して 同じお薬を
出すことになった。今回だけ特別にする了解を得た。

診察室からの帰りがけにポツンと独り言にしては
大きな 嬉しそうな声で言った。

「これで、旦那の薬を借りていたから 返す
事が出来るわ。 ウチの旦那、『オンナみたいに
細かいこと』言うて ワシの薬を返してくれと
うるさいねん。」
・・・私は軽いめまいを覚えた
・・・おばちゃんがオンナを捨てた?